月カン!雀賢荘 Vol.60


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┃賢┃┃月┃カ┃ン┃!┃雀┃賢┃荘┃Vol.60┃
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【月カン!雀賢荘★INDEX】―――――――――――――――

(1)麻雀哲学論考
(2)若手でツモ!
(3)異常だぞ麻雀は!
(4)雀賢荘に熱中症!
(5)IT'sリアル麻雀屋巡り

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■ごあいさつ

 いつのまにかイチゴの季節もすぎ、そろそろ初ガツオの季節です。月日は百
代の過客にして…ってなわけで、とりあえず5月後半号をお届けします。

━◇>凡 例<◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  麻雀牌の表記は以下の通りとしております

・マンズ---- 一〜九    ・ピンズ---- (1)〜(9)
・ソーズ---- 1〜9    ・字牌 ---- 東南西北白発中


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━━━(1)<麻雀哲学論考>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

何事も不合理や整合性が気になってしまうSEが、麻雀を多面的に語る!
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■オカルティーの由来■

 読者の皆様はじめまして。ワタクシプロでもなんでもないただの一麻雀ファ
ン、ヒロタシというものです。

 この広い広いWEBの世界のある一点で麻雀に関するコラムを書いていた人
間であるワタクシが、どういうわけかここにこうしてテキストを掲載する事に
なりました。大変光栄に思います。お姉さんが勝手に出した履歴書でジャニー
ズに入った気分です。

 さて第一回の今回は、いきなり麻雀とは違う種目のギャンブル、パチンコ・
パチスロの話から始めたいと思います。

 ワタクシも以前はパチンコ・パチスロにハマったものでして、しょっちゅう
それぞれの専門誌を読んでいたのですが、そのうちにその2誌の内容に大きな
違いがある事に気付いたのでした。

 パチンコ雑誌に書かれた『攻略法』は「真ん中に奇数が並ぶことが多い台は
好調」などと根拠のない事が中心で、パチスロ雑誌のそれは「連荘ゾーンが云
々」「天井が云々」「シミュレート結果が云々」といった、その台のプログラ
ムを解析して得た情報が中心だったのです。これは毎ゲーム絵柄を狙う必要が
あるパチスロに対し、自動的に打ち出される玉の行方を眺めるだけのパチンコ
というゲーム性の違いによるものなのでしょう。

 この違い、何かに似ているな、と思ったのです。そう、これはちょうどサン
マとヨンマに対するそれぞれの考え方に似ていたのです。経験上、サンマ打ち
にはオカルティーの割合が高いと思うのですが、その理由が分かった気がしま
した。

 ヨンマだったらペンチャンを早めに払った結果裏目を引いても他で面子を作
ってカバーできますが、サンマは牌の種類も少ないため、面子候補を間違える
と大きく出遅れてしまいます。また多くのルールではドラも多く、棒テン即リ
ーでもそこそこの点数になってしまうため、勝負はアガリ競争になる傾向が強
いでしょう。回し打ちなどというテクニカルな部分にそれほど価値がないゲー
ムと言えるでしょう。

 言い換えればサンマはヨンマに比べて「ただ棒テンを目指せばいいゲーム」
となり、ヨンマに比べてさほど「やることがない」のです。と言ったらサンマ
ファンに怒られるでしょうか。

 つまり、人は「ただハンドルを握って見ているだけのゲーム」や「ただシャ
ンテン数を上げるゲーム」のような、比較的技術を要しないものほどオカルト
に頼る生き物なのではないでしょうか。言い換えるならば「単純なゲームほど
オカルトぐらいしかすることがない」と。

 僕は以前にルーレットの赤黒やバカラなどの「ほぼ等確率の2者選択ゲーム
」で出目表をつける人の気持ちが分からなかったのですが、いまでは分かる気
がします。出目表によって次を当てようとしているというよりも「それくらい
しかやることがないから」というのが正確なところじゃないでしょうか。

ヒロタシ
(似非トーラス http://oak.zero.ad.jp/~zaf93998/)
(似非トーライ http://d.hatena.ne.jp/hirotashi/)

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今回から新連載の「麻雀哲学論考」。合理的でないものを見ると一言語りたく
なってしまう著者ですが、果たしてどんな家庭生活を!? 新婚だそーで。


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━━━(2)<若手でツモ!>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

プロ協会若手プロによる戦術論。麻雀は工夫して勝て!
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■■相手のスキをつけ!■■

 最近暑くなってきましたが、皆さんは暑さになんか負けてませんか。僕はと
いうと正直疲れちゃってます。。。平日、仕事請負人の名に恥じないだけの仕
事をこなすだけで精一杯なのですが、ここ最近はさらに週末に対局が目白押し
なんですよ。リーグ戦も終盤戦に突入しましたし、大会もモリモリあってと少
しも気を許すことができないのです。まぁ、結果なんて野暮なものは聞かない
でおいてください、僕は内容で勝負してますから。。。

 さて本題です。麻雀というものは情報戦です。相手の情報をどれだけ入手で
きるか、また自分の情報をどれだけ与えないかが重要ですよね。では、どのよ
うにして情報を入手したらよいでしょうか。相手の捨て牌や仕掛けから相手の
手組みや山に残っている牌を読むということは皆さんされていると思われます
。非常に難しいですよね、僕なんて全然ダメダメです。。。これ以外にもっと
簡単なものでなにかないでしょうか。そこで、今回目を付けたのが「弱いアク
ション」というものです。なにかというと、「2鳴き」「ツモ切りリーチ」と
いったもので、その行動に何かしらの相手の思惑が出てしまう行動のことを指
します。

 では、それぞれについて考えて見ましょう。「2鳴き」はどうでしょう。1
枚目を鳴かなかった理由が何かしらあるわけですね。考えられるのは、鳴いて
しまうと手が安い、鳴いても手が遅い、またはその両方なんて可能性もありま
す。どれにしても恐れる必要はなさそうです。高目追求思考の人で満貫クラス
では満足せずに1枚目スルーなんてこともあったりもしますが、まぁ可能性は
低いでしょう。というわけで「2鳴き」を見たら弱みを見せたと思って、ちょ
っと強気に攻めちゃいましょう。

 次は、「ツモ切りリーチ」です。こちらも同様に、テンパイして即リーチに
いかなかった理由があるわけです。ここで考えられるのは、何巡かまわしてい
るあいだに待ちが良くなった、即引っ掛けを嫌った、逆に引っ掛けになる牌を
引いたから嬉しくなってリーチなんてこともありえますね。実際の例で見てみ
ましょう。

二3R68九(4)(3) ドラ西 

 といった捨て牌だった親が4をツモ切ってリーチときました。親リーなんて
怖いのでもちろんベタオリなわけですが、変則手っぽい切り出しであるし1と
7は切りにくいんじゃないかと考えました。実際には…

七七(1)(1)(5)(5)(8)(8)(9)(9)799

 ビンゴでした♪ ベタオリだから関係ないのですが、手がぶつかっていたと
しても切らなかった思います。実際の例をもうひとつ。

 東家 北西九八(8)中二
 南家 (9)西一86南(4)
 西家 北RR五39N
 北家 921(8)(4)1(4)

 といった捨て牌で、親が突然ツモ切りリーチ!こうきたら待ちはだいたい予
想がつきますよね。その前の巡目ではリーチとしなかったのが、急にリーチし
た理由として考えられるのは南家と北家の(4)切りくらいなもの。北家の(4)切
りで(4)は河に3枚切れになりました。このワンチャンスを活かした待ちなの
が有力です。(2)と(3)は死んでも切れないですね。実際には…

三四五(1)(1)(2)(3)(3)678TT

 これまたビンゴ♪ 待ちが大体わかっているのだから、すごくやりやすいで
すね。たとえ親リーといえどもそこまで恐れる必要はないでしょう。

 このようにツモ切りリーチを見たら、その理由を考えてみましょう。うまく
いけば、相手の待ちが透けてしまうこともあるのです。一発ツモのタイミング
を計ってのものや、他者に仕掛けが入ったからなんて理由もあるということを
最後に付け加えておきます。

 このように「弱いアクション」をしてしまうと相手にヒントを与えてしまう
のです。相手の「弱いアクション」は見逃さず、自分はしないように心がけま
しょう。

 今回はちょっとした行動についての考察でした。今回触れたこと以外にも、
「弱いアクション」というものはいっぱいあると思います。卓上のすべての情
報を見逃さずに、相手のスキを付きまくっちゃいましょう!

 今回はここまで。ではでは、また来月お会いしましょう♪

(渡辺順洋:プロ協会C2リーグ)

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捨牌を読むよりも、相手のキズを読むのが「麻雀の読み」です。ここらへんリ
アルだし、実用度高いですね。女の心のスキを読むのがナンパ師ってやつで、
こっちも実用度高い……のでしょーか?


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━━━(3)<異常だぞ麻雀は!>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

なぜ麻雀はかくも面白いのか。レトロな感性の新米プロによる麻雀エッセイ!
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■■一番人気のある牌■■

 麻雀と田中を愛する皆様こんばんは。突然ですが、あなたの好きな牌はなん
ですか? 赤牌とか白ポッチとかそういう生々しい物欲はひとまず忘れてもら
って、ちょっと気になる34分の1的な発想でお考え頂きたいのです。

 おそらくですが、イーソーを思い浮かべた方がかなり多いのではないでしょ
うか。ボクの個人的なリサーチによりますと、麻雀打ちの実に3割が「好きな
牌はイーソー」と明言しています。この爆発的な人気は一体なんなのか? 本
日は様々な考察や検証なども交えつつ、卓上を支配するイーソーブームの実態
に迫ってみたいと思います。

 まずは最も大きな要因として、イーソーのもつ異常性が挙げられます。そも
そもこいつは「数牌」と謳っておきながら、真っ向から「絵」です。ナンバー
であるべきところをイラストなのです。「鳥1匹」という解釈も確かにできま
すが、2以降のソーズはご存知の通り「竹」であり、「鳥で数えよう」という
イーソーの意向が完全に無視されている時点でやはり異常です。サンピンが鳥
3匹だったら誰でも「異常だ!」と思うでしょう? そういった無法がソーズ
の1に限ってまかり通っているという現実、即ち同種の牌にすら媚びぬ「卓上
のアウトロー」としての圧倒的な存在感。人はイーソーのそんな姿に、麻雀と
いう外界のゲームに取りつかれた自己を投影してしまうのかもしれません。

 もうひとつはあの「早いリーチはイースーソー」という、有名な麻雀格言に
よるところも大きいと思われます。これはなんの根拠もないくせに誰もが一度
は聞いたことがあるため、早いリーチがかかるたびにイーソーは濡れ衣を着せ
られてしまいます。そしてまれにギルティ(有罪)であった場合、その印象は
他の待ちにまして強く残り、人はイーソーに対する嫌疑をますます深めていく
というわけなのです! このあたりの葛藤が、イーソーという牌に「悲劇の英
雄」的なイメージを植え付け、人気の引き金になったという見方は果たして穿
ったものなのでしょうか。ところでこれはスーソーの存在を徹底無視した推論
でありますが、あれは真ん中の牌だから普通に危ないじゃないですか。

 そして最後にどうしても述べておきたいのは、イーソーがこれほどの人気と
特異性を誇る牌でありながら、ヤオチュー牌であるがゆえ真っ先に捨てられて
しまうという非情なる事実についてです! どれほどプレイヤーに支持されて
いようと、他の牌に比べて個性があろうと、イーソーは麻雀というゲームにお
いて機能性が低い牌であることに変わりはなく、ゆえに序盤からポンポンと捨
てられてしまう。この人気と実力を兼ねない二律背反もまたイーソーの大きな
魅力であり、麻雀の厳しさを端的に表しているともいえるでしょう。好きな牌
ばかりを集めたり、好きな役ばかりを狙っているうちはまだまだ初心者。イー
ソーはその在り方をもってして、われわれ麻雀打ちの心を諌めてくれる大切な
牌であるのかもしれません。意外と綺麗にまとまったので驚いています。

 と、長々とイーソーの魅力について語ってまいりましたが、しょせん人が牌
を好きになる理由など「ゲン」であることが9割。「この待ちだとよくアガれ
る」とか、そういうやつですね。つまりはタンヤオ全盛のこのご時世、イーソ
ーの人気などすでに過去のものとなっているのかもしれません。まあ、イーソ
ーの全盛時なんてものがあったらの話なんですが。

 ちなみにボクの好きな牌ですが、消去法で決めるならまずピンズは全滅。あ
の水疱を連想させるグロテスクなデザインを見て「生きていたらどうしよう」
と怯えた時代もありました。マンズはなんだか融通が利かなそうですし、ソー
ズは味気ないので数牌は全滅。とするとやはり字牌になるんですが、東南や三
元牌は特権意識が鼻につく。やっぱ西か北あたりがいいですよね、性格も良さ
そうですし。

 次回も西北のごとく存在価値の低いコラムをおとどけします。それでは!

(田中太陽:プロ協会C3リーグ)

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イーソーは麻雀の神様である鳳凰だから、第1打には絶対に切らないよ。そう
公言する麻雀プロがかつていました(今もいます)。でも、ぼく的には安い牌
ってイメージしかないですね。脂っけなさそう。


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━━━(4)<雀賢荘に熱中症!>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日本プロ麻雀協会プロによる雀賢荘の対戦レポート!
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■■麻雀も工事も安全第一■■

 みなさんこんにちは〜。毎度おなじみ「雀賢荘に熱中症」でございます。

 ついに、雀賢荘のリニューアル試用版が公表されました。私も、早速ダウン
ロードして試しに遊んでみました。やっぱ、麻雀牌の絵柄が大きくなったのは
とっても見やすくていいですね。まるで麻雀牌が生きているようで、私もさら
に楽しく熱く楽しめそうです。

 これは本物の麻雀も同様で、マンズが見やすい麻雀牌は最高に好きです。た
まに小さくマンズの漢数字が彫られている麻雀牌をみますが、「二と三」「七
と九」を見間違えそうで、目を細めて確認せざるを得ない状況となってしまう
ことが多々あります。

 みなさんも、くれぐれもリアルの麻雀で見間違えによるさらし間違えには気
をつけてくださいね。特に字牌のさらし間違えは顔を真っ赤にしながら麻雀を
打たざるを得なくなってしまいますよ〜〜。

 それでは今回の雀賢荘対局記をご紹介します。

■1回戦
 まぐお総統さん、MGODさん、ムンムンムーンさんとの対局です。

 東1局に、「七八九(1)(2)(3)(7)(8)789東東 ドラ三 裏(3)」でリーチ
して高めを出アガリ、その後も優位に立てた私ですが、東4・南4でまぐお総
統さんのレンチャンに苦しめられます。じわじわと点差を縮められ劣勢にたた
された私ですが、なんとか迷宮から脱出できトップをゲットできました。

 そこで、今日のテーマは「安全を重視した交わし手」を取り上げてみたいと
思います。

南2局0本場 南家 9巡目 43800持ち ドラ1

四四六七八八(3)(4)(6)(7)(7)(7)(8)

 親から(7)が出てきました。メンゼンだと高い点数に仕上がりそうですが、
ここは局を消化させることが重要なため、鳴いてテンパイにとることにしまし
た。さてさて「ポン」か「チー」どっちにしましょう?

 私は「チー」を選択しました。これは、(7)を暗刻にしておくことで、親の
安全牌を三枚確保できるからです。四を引いてきても(7)と入れ替えできます
よね。「ポン」なら、親からのリーチがかかると完全にベタオリになってしま
います。麻雀も工事現場と同様「安全第一」は大切です。

■2回戦
 ☆リリー♪さん、Bsさん、チビ【ヘタ流】さんとの対局です。

 比較的小場で進んだ半荘となり、オーラス時には誰がトップをとってもおか
しくない点差となりましたが、努力も実らず、20500点持ちのラスで終了しま
した。

 ところで、みなさんは「荒れ場」と「小場」どちらがお好きでしょうか? 
私はどちらかといえば「小場」です。「荒れ場」になれば、ツキ麻雀になって
しまう傾向があります。ツイていない時でも、相手の高い手を成就させないよ
うに努力しながら、2着以上をしっかりと取ることに麻雀の奥深さは存在する
と考えています。

 上記2回戦では、小場だったにも関わらず、手痛い5200を振ったのは反省だ
ったかな。「小場での3900以上の放銃は致命傷」、この失敗はリーグ戦で生か
すようにしたいと思います。

 それでは今日はこれにて……。6月は、負けられないリーグ戦があります。
雀賢荘でしっかりと調整していきますので、お付き合いの程よろしくお願いし
ます。

(高島努 プロ協会C3リーグ)

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荒れ場と小場の好みって性格だと思います。苦手なタイプは避ければいいナン
パと違って、対応しなきゃいけないのが麻雀の大変なところって!?


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━━━(5)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

バブル絶頂期の89年、雀馬鹿への道をひた走った男によるナルシーエッセイ。
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■■第25話 ブクロの桃源郷■■

 ブクロは俺にとって住み心地の良い街となった。この旅を始めたころの想い
はどこかへ、俺はブクロに留まりたくなっていた。麻雀はもちろんだが、遊び
に事欠かかない街に居心地の良さを感じ、長居したくなっていた。

 麻雀ぶちとして憧れ、当初の目標にしていたジュク。それはいつのまにかど
うでも良くなっていた。ジュクを皮切りに全国のぶちてと戦う麻雀行脚はブク
ロに飲み込まれようとしていた。

 腹ごしらえの後、サンシャインの展望台で目星をつけた辺りをうろついてみ
た。まずは今宵、落ち着ける河岸を確認しよう。そう、あくまでも確認だ。

 目星を付けた俺は、今宵の闘牌に向け、体を癒しにサウナに向かった。ブク
ロでたまったアカを落とそうとアカスリを頼んだ。すると中途半端にかわいい
感じのおば様が登場した。ドキッとしながら俺は半立ちとなった。そんな状態
のままアカ落としをしてもらう。

 普段なら痛いはずのアカスリだが、徹満明けだけに体が過敏に反応し、俺は
堪らなくなっていた。昨晩、稼いだ貯金もあるので、別のスチームサウナに移
動することにした。そこでもマンガン級のアガリをボディーアタックし、気分
上々のまま俺は目星を付けた雀屋に向かった。

 俺は道場破り気分で門を叩いた。

「すいませ〜ん! すいません! 初めてなんですけど出来ますか? すいま
せ〜ん」

 俺は大声を張り上げた。「おいおい。聞こえてるよ! うるせーな」。奥か
ら声がした。メンバーらしきオヤジが現れ「お客さんですか、いらっしゃい」
と言ってルール説明を始めた。

「アリアリの1−2−4です。祝儀1枚500。大丈夫ですか?」。俺が「すぐ
入れますか」と聞くと、「はい、今始まったところで、すぐに入れますよ。親
番ですがどうしましょう」と、卓に案内された。

 その場所は東4局の親番、10巡目だった。点棒は2万点。俺は内心入らなけ
れば良かったかと思った。が、手牌を見るとすでに58ソー待ちのタンピンテ
ンパイ。ドラを確認すると南であった、この手には関係ない。

 特に手変わりも期待できないので、俺は「リーチ」と言った。そんな矢先、
対面が5ソーをアンカンした。新ドラ表示は4ソーで、しかも対面は追いかけ
リーチをしてきた。いきなり俺の鼓動が激しくなった。ドキドキしながら辺り
を確認する。と、8ソーが2枚切られていた。また、南家がドラの南をポンし
ていた。

 軽い気持ちでご案内され、軽い気持ちでリーチをしてしまった。俺は思わず
「やっちまったか」と、ボソっともらした。最高のリラクゼーションのあとに
待っていたのは、いきなりの修羅場であった。

(斉藤勝久:プロ協会Bリーグ)

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人間は二種類に分けられる。ブクロを好きな人と嫌いな人に(イギリスの古い
諺)。ぼくは好きな派ですね。G―1という雀荘にずいぶん通いました。


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●○●○●「雀賢荘」からのお知らせ●○●○●○●○

5月16日(月)公開致しましたバージョン3「一人麻雀」について、たくさ
んのご意見、ご感想を頂き、誠にありがとうございました。

バージョン3「ネットワーク対戦麻雀」に関しましては、現在開発進行中です
。公開については、近日中に雀賢荘HPにてお知らせする予定です。


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発行   有限会社 アイ・エス・ジャパン
     毎月10日・25日発行
編集長  福地 誠
記事協力 日本プロ麻雀協会
編集   有限会社 アイ・エス・ジャパン
お問い合わせ jankenso@is-jpn.com 
雀賢荘HP  http://jankenso.is-jpn.com/
 
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