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■東1局のドミノ倒し

 この日の対戦相手は、かもめのどらさん*氏、THE GAME氏、神山雄一郎氏の3人でした。

 かもめのどらさん*氏は前回の優勝者です。1回戦でラスを引きながら、2回戦は開始早々にハネマンを3連発。脅威のパワーで逆転勝利をもぎ取ったのでした。本人いうところでは2着麻雀ですが、メンゼンでじっくり構え、ときおり繰り出す一撃で相手をKOする麻雀です。

 THE GAME氏は雀賢荘のイチローとでも呼ぶべき新人です。7月に雀賢荘を始めて2カ月弱で半荘800回を打ち、信じがたいスピードでランキングを駆け上がってきました(ぼくもあっさり抜かされました)。その合間をぬって予選大会でも2位となったのです。麻雀は鬼のように打ちまくっていた高校以来の20年ぶりとのことで、仕事が自由業になって時間の余裕ができたことから雀賢荘にハマったとか。

 神山雄一郎氏は前々からのユーザーで、新たなHNを作って予選大会に参加、見事に1位となった古豪です。奥さんも雀賢荘の常連で、彼女の言によると氏は身も心も高倉健とのことでした。日本海の波しぶきを背負った麻雀……かどうかはわかりませんが、イジイジしたところのないスパッとした麻雀です。

 古くからのユーザーと、1月からのAOL流入組と、7月からの新規ユーザー。今回は雀賢荘ユーザーの多層性を示すように、三者三様となったのでした。ただし年齢では、THE GAME氏は30代後半、神山雄一郎氏とかもめのどらさん*氏は40代後半とのことですから、近いといえそうです。

 崎見プロも含めて、メンゼン打点系の打ち手がそろったことから、パワー勝負になるのではないかと予想していましたが、その予想は当たって、半荘2回ともほとんどがリーチ勝負となったのでした。

 1回戦は東1局から勝負所となりました。鍵となったのは、かもめのどらさん*氏の手牌でした。6巡目、氏の手牌はこんな1シャンテンとなっています。ここで何を切るのがいいでしょう? 

 ツモ ドラ

牌図1

 ここで氏がここで切ったのは。速攻派の打ち手ならドラのを切るかもしれませんし、テンパイ確率でいったら切りが広くなります。しかしソーズはすでにを切っていたため、引きでフリテンになる可能性を嫌ったのでしょう。

 さて上の牌図で、かもめのどらさん*氏の下家・THE GAME氏の捨牌を見ていただきたいと思います。序盤から中張牌(チュンチャンパイ)が豊富に切られており、変則の臭いがします。疑うべきは、まずソーズのホンイツで、次にチャンタでしょう。

 下家がこんな捨牌をしているときには、どのみちソーズを切るにしても、よりはを切っておいた方がいい結果が出やすいもの。その応用として、序盤にはを切っておき、中終盤にもう一度を引き戻したときにはを切るというテクニックも存在します。かもめのどらさん*氏の意図はわかりませんが、じつは氏の浮き牌3枚のうち、2枚はTHE GAME氏にとってのどから手が出るほどほしい牌でした。THE GAME氏の手牌はこうなっていたのです。

 ドラ

 ここに切られたを、THE GAME氏はチー。チャンタドラ2の1シャンテンとなりますから、自然なチーといえるでしょう。このチーによって下家の神山雄一郎氏に流れたのがでした。これはチーしなければTHE GAME氏がアンコにしていた牌なのです。そのが入って神山雄一郎氏はテンパイし、スパッと高倉健流リーチをかけたのでした。

 一波が動いて万波が揺らぐ。最後の波が押し寄せたのは崎見プロの手牌でした。

 ツモ 打

 この手牌にが入って、のメンツが完成しました。ここで彼女は毅然とを切り出します。このが吸い込まれるように神山雄一郎氏への振り込みとなり、裏ドラが2枚乗ってリーチ一発裏2の8000点となりました。かもめのどらさん*氏から始まったドミノ倒しは、崎見プロが神山雄一郎氏にバブリーマンガンを振り込む結末となったのです。


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