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■1回戦目 しかし、接続のトラブルによって一夜漬け的なメッキははがれ落ち、飯田プロは心の底でパニックしたまま、スタートするハメに陥ったのでした。 好スタートを切ったのは、わんわん氏とMr.珍Jr.氏でした。その一方で、飯田プロは「まず一回アガらなきゃ」と、心の落ち着きを取り戻そうとしている状態が続いていました。マウスを使うことに、宇宙服を着て歩いているような感触を持っていたのでしょう。とくに致命的だったのは南1局で、チーしようとした牌を鳴けずに、切るつもりのない牌で振り込んでしまったのです。 そもそも、ミスなどなくとも、いらない牌をツモ切りしただけで、振り込んでしまうような局が続いていました。 そこで迎えたのが南2局0本場です。南場の親番、それは沈んでいる者にとって一筋の希望と言えるでしょう。挽回する可能性はこの局にかかっている。そんな気持ちで臨むものです。 ここで飯田プロに早いテンパイが入ります。6巡目に即リーチ。これがその捨牌です。 この捨牌、じつは「捨牌読み」に役立つモデルケースとなっています。これがそのときの手牌で、待ちはカンでした。 なぜこの手牌が捨牌読みに役立つのでしょう。それは早いチュンチャン牌(2〜8の牌)切りは、そのスジ牌をまたぐスジが危ないという典型例になっているからです。具体的には、のスジ牌であるをまたぐスジ、つまりとが危ないのです。 というのは、手牌にとが浮いている場合には、一方にくっついてリャンメンができたなら、バランス上、もう一方は一刻も早く捨てたいもの。にかがくっついたらが捨てられ、にかがくっついたらが捨てられます。そうなると、打牌のスジ牌をまたぐスジが危ないことになるわけです。 はいわゆる「裏スジ」というやつです。また、こういったときのを、わたしは「裏々スジ」と呼んでいます。 早く切られたチュンチャン牌の裏スジと裏々スジは本命のひとつとなる。それが捨牌読みのセオリーと言えるのです。厳密に言うならば、そこが待ちになっているかどうかは分かりませんが、4メンツのひとつがそこにあるわけです。 4巡目、飯田プロの手牌はこうなっていました。
ここで切る牌はかですね。このとき、飯田プロはを切り、次巡にを引いて切り。そして6巡目にを引いてテンパイ、切りで即リーチしたわけです。 さて、この手牌はどうなったのか? 挽回の希望を乗せた親番もむなしく、この局はメロンソーダ氏が2000点でアガってしまいました(牌図1)。この手牌は、われわれに捨牌読みのパターンを確認させてくれる教育的使命を担っていても、ハンチャンの行方を左右する運命は担っていなかったのですね。 |
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