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業界の竹中平蔵を目指すハカセによる鑑定レポート
ハカセによる麻雀プロ診断 | |||
鑑定される人 | 岸本信宏プロ (日本プロ麻雀協会 来期Aリーグ) |
鑑定する人 | 福地誠(ハカセ) |
今回の鑑定結果
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コメント 「新たな戦術を打ち立ててくださいね」 |
■麻雀界の超新星 文/福地誠: ●著者紹介●『近代麻雀』誌にいくつかの連載を持つ麻雀ライター。東大卒の通称ハカセ。著書に「麻雀検定2002」(竹書房)など。雀賢荘にはふくちーくの名前で出没し、脱衣麻雀を挑む。 |
■スーパーノバ雀士登場! |
ついにプロ協会はエースを繰り出してきました。今回登場した岸本信宏プロこそ、若手(といっても30歳ですが)のエース格といっても過言ではないでしょう。
彼はちょっと前まで麻雀プロではなくて学者の卵でした。慶応大学の理工学部を卒業して、東京大学大学院の修士課程を修了。専攻は天文学で、超新星がテーマだったとか。超新星とは、太陽などの恒星が寿命を終えるときに強烈な光を発する状態です。 そんな星を看取る研究をしていた岸本プロですが、大学院の博士課程に進んだところで麻雀にハマって研究生活をドロップアウト。めでたく麻雀プロになったのでありました。麻雀プロではさんざん聞いてきた類のお話です。 たいした実績もなかった岸本プロですが、そのころにちょうど設立された第1回野口賞の麻雀棋士部門(他に文化部門と特別功労賞があります)を受賞して、一躍頭角を現しました。野口賞とは麻雀界の芥川賞たるべく2年前に設立された賞で、麻雀博物館の理事長・野口恭一郎さんによって作られたためその名前がついています。 こうして一気にスターダムへと駆け上がった岸本プロですが、それなら業界内で高い評価を受けているかというと、じつはそうでもないのです。強いのか弱いのかさっぱりわからないけど実績があるからまあいいか……。そんな見方が大方のところでしょう。彼の麻雀はよくいえば従来の戦術の枠を超えており、悪くいえば変なのです。プロ仲間から異常だといわれるそうですが、今回ぼくが観戦したかぎりでもさっぱり理解できませんでした。これまでにぼくが見たなかでは2本指に入る個性派麻雀です。 実績を出しているところは立派であり、また実際に打ってみると負けませんから、やはり単なるヘボではないのでしょう。しかしその強さの中身がわからないのです。以前は天文学の研究者だったといわれて納得するものがありますが、おそろしくランダムな麻雀です。デジタルな麻雀を打つ人は他にもいますが、デジタルというレベルを超えていると思います。ぼくの理解では「工学的な麻雀」と呼ぶのが近いと思いますが、今回はそんな岸本麻雀を追跡していきましょう。 |
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