たしかに他の待ちにする選択肢はありません。
は自分で3枚使っている待ちですし、それはいずれ
になっても同じことです。可能性があるのは
待ちになる変化だけ。そう考えてみるとこのリーチも納得です。ただし、リーチ宣言牌として切るのは
より
の方がいいでしょう。というのは、裏ドラが1枚乗ればマンガンですから、その可能性を1種類でも多くするためですね。
そして15巡目に4枚目の
をツモって1300・2600点。ついにトップ目に立ちました。あれだけ苦しい展開から、微差とはいえトップ目に立ったのですから立派です。2回ともアガり切った
は、もしかするとツキ牌なんでしょうか。
次局南2局、初音さんはフリテンリーチをかけます。これはいただけないリーチでした。下の牌図を見ていただくとわかるように、手順で
がフリテンとなっています。それはしょうがないのですが、このまま
を切るにしろ、フリテンに受けて
を切るにしろ、いずれにしろリーチは不要でしょう。このリーチでオリてもらえたら…ということだと思いますが、実戦はそう都合よくはいかないものですし、微差で競っているときはリーチ棒を出さないことが寝技としてとにかく重要なのです。
●牌図11
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次局南2局1本場、トリノスさんがピンフのみをアガってリーチ棒を回収し、トップ目に立ちます。そして南3局にもトリノスさんが のみをアガり、初音さんに3700点の差をつけてオーラスを迎えました。
オーラス、親を迎えた初音さんは、7巡目、こんな手牌に4枚目の を引き、迷うことなくカン。
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そして9巡目にを引いてリーチ。ほどなくをツモって4000オール。トップとなったのでした。
こうして1回戦と2回戦でトップラスが入れ替わったことで、トータルでは2着2回のトリノスさんが優勝したのです。トリノスさんは終始果敢に攻めていたのが印象的でした。最初の三倍満からずっとリードを保ちながらも、1回のミスによってタイトルを逃したちちびんたさん。また今度雪辱してください。前回の優勝者でありながら、今回は牌運に恵まれなかった東風の虎さん。残念でした。
そして初音舞さんは総合3位。2回戦はトップを取りながらも1回戦のビハインドを回復するには至りませんでした。しかし「1回でもトップを取れてよかったです。ははは」と、楽観的なコメントが好印象でした。世界チャンピオンという肩書きはありながらも、まだ若く経験も少ない初音さんは修行中という意識が強いようです。いまは勝てなくても、もっともっと強くなって……と思っているようでした。
自分のことを「わたし」や「あたし」と呼ばず、「わたくし」という初音さん。おそらくお嬢様なのでしょう。対局後に喫茶店で内容を簡単に振り返ってもらったのですが、そのときこんな一言が記憶に残りました。
「いま一番やりたいのはバカラのディーラーなんですよ。でも団体の人や業界全体に迷惑をかけちゃいけないので、麻雀プロでいる間は危ないことはやめとこうと思ってるんです」
確かにそれはやめといた方がいいかもしれません。裏カジノで捕まったりするとヤバイです( ̄w ̄)プッ
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