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■3メンチャンリーチの甘い罠

 続く2本場、この局が優勝者を決める局となりました。主役はちちびんたさんとトリノスさんです。これまで慎重に打ってきたちちびんたさんの手牌が、2巡目にこうなりました。

 ドラ

 ここでを切ってしまったのが失敗のひとつ目。次巡をツモってきますから、ここで(が1枚切られているので)を切れば、5巡目にでツモアガリしていました。そして失敗のふたつ目は、手牌がこうなった5巡目にリーチをかけたことです。

 ドラ

 これがなぜこれが失敗だったかというと、このとき下の牌図のような状況でした。

●牌図9

 ちちびんたさんの当たり牌のうち、ヤマの早いうちにあるのはが2枚だけ。その2枚がトリノスさんに行ったのです。このときトリノスさんの手牌はこうなっていました。

 リーチ一発目に来たはリーチに通っていなかったため、トリノスさんはとりあえず現物のを切ったのです。すると次巡にまたが来て、これでアタマのなかった手牌がテンパイして、トリノスさんもリーチをかけたのです。その待ちはなにしろいっぱい生きていて、圧倒的に有利な待ちでした。そしてちちびんたさんがをつかみ、裏ドラも乗ってマンガン。

 この結果を見ると、先制リーチするデメリットがよくわかると思います。平たい状況のときは点数を稼ぎたいことも確かですけれど、リードしている状況では余計なリーチは避けるべきだということが納得できるのではないでしょうか。3メンチャンだからリーチというのは、トップ目にとってはリスクの高い打ち方なのです。

 開局時に「よろちくび〜」とあいさつし、「人の不倫みて我が不倫なおせ」が座右の銘だという好青年・ちちびんたさん。この局のふたつのミスによって優勝を逃してしまったのです。じつはこの対局直後にちちびんたさんからメールをいただいたのですが、このミスについて、とても正確に反省していました。麻雀はその場その場で瞬間的に判断して正着を続けていかなければなりませんから、難しいですよね。


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